武士道というものに深く切り込む、時代劇の金字塔と言われ、評価されている作品です。原作は滝口康彦の小説「異聞浪人記」。江戸時代初期に横行していた切腹を利用したゆすり。
そのゆすりをおこなった千々岩求女という若い浪人を、井伊家の家老、斎藤勘解由が本当に切腹させてしまったことに端を発する物語です。日本人が盲目的に賛美していた侍の精神、というものに対するアンチテーゼとして撮られた作品です。
海外でも評価された名作時代劇
監督は社会派の小林正樹で、彼の批判精神がこの映画の根底にあると言っていいでしょう。その凄惨な悲劇は海外での評価も高く、カンヌ映画祭で審査員特別賞を受賞しています。