2003年のアメリカ映画で、監督は「戦火の勇気」、「グローリー」のエドワード・ズウィック。主演はトム・クルーズで、ハリウッド映画ながら渡辺謙を初め多くの日本人俳優が出演しています。アメリカでも人気を博した作品ですが、日本では観客動員数1,410万人を記録し、上映された2004年度の映画興行成績第1位を記録しています。
外国人が触れた「死と美」
この映画の舞台は明治維新。日本が近代へと足を踏み入れ始めた時代でした。近代化の中で、急速に失われていく侍の精神。しかし、トム・クルーズ演じるオールグレンは、その精神を未だ留める最後の侍たち、「ラストサムライ」たちに惹かれていきます。死して現生に何かを残す、その侍の精神に美しさを見出すことは、世界共通のものだということがこの映画の世界的ヒットからも窺い知れます。